3. ドキュメントの保存

ドキュメントを保存するときにも、気をつけておくべきことがいくつかあるぞ。
「大事なデータだったのに、以前のバージョンで保存してしまって、使い物にならない」なんていうことにならないようにな。

ポイント
■ ファイル形式はAI(.ai)が基本。EPSやPDFが必要なときも、AIの原本は残しておく。

■「以前の形式」での保存は避ける。
■ ファイル名にも気を配る。

ファイル形式

ファイル形式を「Adobe Illustrator(ai)」に、保存バージョンを「自分が使っているバージョン」にというのが、保存するときの基本だ。

「.ai」はIllustrator固有のデータで、「ネイティブデータ」なんて呼ばれているな。
PDFファイルやEPSファイルを作成する必要があるときも、必ず原本として「.ai」を保存しておくこと。

以前は、QuarkXPress(InDesignみたいなページレイアウトソフト)にリンク画像として貼り込むデータや、印刷所に入稿するデータは「EPS形式(.eps)」だったけど、今は「.ai」で大丈夫
大丈夫というより、「.ai」のほうが好ましいというケースが多いな。

そうそう、仕事で使うPCでは、ファイル名の拡張子(.aiや.epsなど)を表示させておかないとダメだぞ。

Macの場合は、[Finder]メニュー→[環境設定]で[Finder環境設定]を開いて、[詳細]タブの[すべてのファイル名拡張子を表示]にチェックを入れれば表示されるだろ?

Windowsの場合は、[エクスプローラー]→[表示]タブ→[オプション]→[登録されている拡張子は表示しない]のチェックを外すか、[エクスプローラー]→[表示]タブ→[表示/非表示]→[ファイル名拡張子]にチェックな。

保存のオプション

じゃあ、適当な新規ドキュメントを作成して、[ファイル]メニュ ー→[保存](command +S)で保存してみよう。

[別名で保存]ダイアログが表示されたら、ファイル名を付け、保存場所を指定し、ファイル形式は「Adobe Illustrator(ai)」にな。

ここで右下の[保存]ボタンをクリックすると、今度は[Illustrator オプション]という画面が表示されるだろ?

まず[バージョン]の部分は、自分が使っているバージョンが表示されているはずだから、そのままでOK

[フォント]の[サブセット]デフォルトの「100%」でOK。
たとえば、数文字しか使っていないフォントの全文字情報が埋め込まれたら、ファイルサイズがでっかくなりすぎて困るだろ? だから、使っている文字の情報だけ埋め込むんだよ。

[PDF互換ファイルを作成]は、ファイルサイズが小さくなるからって、安易にチェックを外さないほうがいいぞ。
チェックを外すと、ai.ファイルをInDesignに貼り込むときに、こんな感じのエラーになるからな。

[PDF互換ファイルを作成]にチェックを入れておくと、Illustratorを持っていない人が.ai形式のファイルの中身を閲覧したいときに、「Adobe Reader」とか「プレビュー」といったアプリケーションで開けるというメリットもあるぞ。

[配置した画像を含む]は、チェックを外してくれっていう印刷屋さんと、入れてくれっていう印刷屋さんがいるんだよな。
いずれにせよ、配置した画像を埋め込むときはここ(保存のオプション)ではなくて、ドキュメントのほう(「配置する時点」または[リンク]パネルまたは[コントロール]パネル)でやっておけば大丈夫だ。

[ICC プロファイルを埋め込む]は、カラーマネージメントをしていない場合は外す

[圧縮を使用]はチェック。
ファイルサイズが小さくなるよ。JPEG圧縮みたいに画質が劣化するわけではないから大丈夫。

EPS形式で保存する場合

EPS形式(.eps)が必要な主なケースは、「印刷所に指定されたとき」「ロゴなどの汎用データとして使用するとき」だ。

印刷所の指定がある場合は、その指定に従えばいい。

ロゴやマークなどは、汎用性を考えてEPS形式(.eps)にすることが多い。
バージョンも「以前のバージョン」にして、幅広いバージョンのユーザーが開けるようにするよ。
テキスト、基本以外のアピアランス(効果や透明など)を含んでいない、単色塗りのロゴなんかは、「Illustrator 3 EPS」でも大丈夫なくらいだ。まあ、無理して今どき使わないような古いバージョンの互換性を気にする必要はないけどな。

「以前の形式」で保存する場合

「以前の形式」、つまり自分がデータを作ったバージョンよりも古い形式で保存する必要が出てくるのは、印刷所やクライアントが新しいバージョンのIllustratorに対応していないときなんかだろうな。

基本的には、「以前の形式」で保存したデータには何か問題があると考えたほうがいい。
できる限り避けるべきだね。

古いバージョンで保存した場合によく起こるのは、「ひとつながりだったテキストが、バラバラに分割されてしまった」とか、「透明を使った部分が分割されてしまった」とかかな。

ファイル名

印刷入稿する場合も、InDesignに貼り込む場合も、ファイル名は日本語で問題ない

「Finder上のファイルの並び順」、「ローカライズ(他の言語への展開)」、「圧縮ファイルを作成したときの文字化け」などを考慮して、ワシは英数字のファイル名にすることが多いけどな。

Macユーザーは「ファイル名の先頭がピリオド(.)」ではダメ」とか、「半角コロン(:)を使ってはダメ」くらいしか気にしていないかもしれないけれど、Windowsでファイル名に使えない文字も使わないように注意しないといけないぞ。
クライアントがWindowsしか持っていないこともあるし、印刷会社がWindows版のIllustratorを使っていることだってあるからな。
Windowsでファイル名に使えない文字は以下のとおりだ。

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余談になるけれど、Illustratorのファイル名の末尾「otl」とか「ol」と付いていることがよくあるよ。
誰が決めたわけでもないんだろうけど、これは大抵「文字をアウトライン化したデータだよ」という意味だ。
文字をアウトライン化したときに自動的にファイル名が変わるわけではないから、「絶対」ではないけどな。

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