7. 前面背面・レイヤー

「前面・背面」「レイヤー」については、まとめて説明してしまったほうがいいだろうな。ついでに「ロック」「非表示」のこともな。

ポイント
■ レイヤーの数は必要最低限にする。

■「ロック」と「非表示」に注意する

前面と背面

Illustratorでは、自分から画面を見たときの手前を「前面(ぜんめん)」、奥を「背面(はいめん)」と呼んでいるよ。
例えば、最初に「正方形」を描き、次にそれに少し重なるように、違う色で「円」を描いてみよう。
円は[楕円形ツール]を選択して、[shift]キーを押しながらドラッグすれば描けるぞ。

2番目に描いた「円」のほうが「正方形」よりも手前、つまり「前面にある」という感覚がわかるよね。

この「円」を選択した状態で右クリックすると、[重ね順](以前のバージョンでは[アレンジ])っていうのがあるだろ。これで手前と奥の位置を変えられるようになっているよ。
[オブジェクト]メニュー→[重ね順]でも同じ。

[最背面へ]は「一番奥に送る」、[背面へ]は「1つ奥に送る」ということだから、オブジェクトが2つしかないこの例では、同じ結果になるな。
「円」を背面に送ってみよう。

円が背面に送られた

レイヤー

上の例では「正方形」と「円」だけだから単純だけど、オブジェクトの数が増えるにつれて、「前面のものを選択したいのに、背面のものもいっしょに選択されちゃう」とか、「背面のものを編集したいのに、前面のものが邪魔」とかいった問題が起きてくる。

そんなときに便利なのが[レイヤー]だよ。文字どおり「層」という意味。
よくアニメーションのセル画なんかに例えられているね。

[ウィンドウ]メニュー→[レイヤー]で、[レイヤー]パネルを表示してみよう。
「レイヤー 1」があって、そこに「正方形」と「円」が描かれている状態だ。

[レイヤー]パネルの[新規レイヤーを作成]ボタン を押すと、「レイヤー 1」の上に「レイヤー 2」が作成される。「上のレイヤー」なんて呼び方をするね。
つまり「正方形」と「円」よりも「前面」にあるということだ。

今度は「レイヤー 2」に、「正方形」と「円」が隠れるくらいに大きな「正三角形」を描いてみよう。
まず最初に、[レイヤー]パネルで「レイヤー 2」を選択
[多角形ツール]でアートボード上をクリックすると、[多角形]ダイアログが出るから、[辺の数]を「3」にすればいい。

次に、[レイヤー]パネルの「レイヤー 2」を選択してドラッグして、「レイヤー 1」の下になるようにしてみよう。

三角形の描かれているレイヤーが下になった

[レイヤー]パネルの目のアイコン をクリックすると、レイヤーの「表示」と「非表示」が切り替えられる。
画面上のヒントに「Command + クリックで切り替え」って出るけど、「ただのクリック」でいいからな。「command]を押しながらクリックすると、プレビュー表示になっちゃう。
ついでに言うと、複数のレイヤーの表示をまとめて変更するときは、ひとつずつクリックするより、マウスボタンを押した状態でなでるようにすると早いぞ。

目のアイコン   の右側をクリックすると、レイヤーの「ロック」「ロック解除」が切り替えられる。

「レイヤー 2」をロックすれば、「三角形」は動かない状態に固定されて、「正方形」と「円」の編集をするときの邪魔にならないというわけだ。

レイヤーについての注意

レイヤーパネルで、レイヤー名の左側にあるサムネイルをダブルクリックすると、そのレイヤーの[レイヤーオプション]が表示される。

この中の[ロック][表示]は、さっき[レイヤー]パネルにあったものと同じなのだけれど、注意してほしいのは[プリント]という項目だ。
[プリント]にチェックが入っていないと、「画面上に表示はされているのに、プリントされない」ということになってしまう。

自分で「うっかり」というケースは考えにくいけど、他からもらったデータでプリントされないレイヤーがあったときは、ここをチェックしてみよう。
[プリント]にチェックが入っていないレイヤーでは、レイヤー名にアスタリスク(*)が付いている(以前のバージョンではレイヤー名が斜体になる)からすぐわかるよ。

作成するレイヤーの数は、制作する物によって違うだろうけど、「必要最小限にして、たくさん作りすぎない」ということが大事だぞ。
ワシの場合は、ロゴやイラストでは1つチラシなんかでは3つくらいのレイヤーでやってるな。

それから、レイヤー名は「オブジェクトの種類別」にすると失敗しがち。
たとえば、「文字」「写真」みたいなレイヤー名だな。

「写真の下に文字なんてこないだろ」と思って上図のようなレイヤー名を付けると、途中で下図のようなものを入れることになったとき、「オブジェクトの種類別」の論理が崩壊するぞ。

えっ、レイヤー名の例が見たい?
欲しがるなあ。

わかりやすければ、なんでもいいんだよ。
ワシはトンボとガイドを1つのレイヤーにまとめているけど、そういったことは好き好きで、ケースに合わせて便利なように、自由にやればいいよ。
トンボのレイヤーを一番上に置く人もいるよ。

「ロック」と「非表示」についての注意

「ロック」と「非表示」は、レイヤーにおいてはわかりやすかったと思う。

これとは別に[オブジェクト]メニュー[ロック][隠す]っていうのがあるけれど、こっちはちょっとトリッキーだ。

オブジェクトを選択した状態で、[オブジェクト]メニュー→[ロック]→[選択]を選ぶと、そのオブジェクトがロックされるから、まあ、特定のオブジェクトをロックしたい場合には便利だね。
ワシは作業途中に一時的にロックするような使い方をするよ。

ただ、ロックを解除するときには、[オブジェクト]メニュー→[すべてをロック解除]で、「現在ロックしているオブジェクトすべて」のロックを解除することになるから注意が必要だ。

[オブジェクト]メニュー→[ロック]→[その他のレイヤー]に至っては、選択しているオブジェクト以外のレイヤーにロックがかかるけど、そのロックを解除するには[すべてをロック解除]は使えず[レイヤー]パネルでやることになる。

[オブジェクト]メニュー→[隠す]では、特定のオブジェクトを非表示にさせることができるよ。
ワシがこれを使うことは、ほとんどないな。

これらの機能を自分では使わなくても、ほかから提供されたデータなどでは、ロックされていたり隠されているオブジェクトがある可能性を忘れないようにしよう。
「提供されたイラストをコピー&ペーストして使ったら、ロックされている部分が取り残されてしまった」なんてことにならないようにな。

ドキュメント内のテキストを検索する場合には、[非表示のレイヤーを検索][ロックされたレイヤーを検索]というオプションがあるから、きちんと意識しておくようにな。

入稿データで「すべてのテキストをアウトライン化したい」ときに、すべてを選択したつもりになっていても、「ロック」「非表示」になっているオブジェクトやレイヤーは選択されていないから、これも注意な。
アウトライン化できていないテキストが残されてしまうぞ。

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