10. 画像の配置(写真の挿入)

「画像の配置」って言うと、ちょっとピンとこないかもしれないけれど、要は「Illustratorのデータに写真などの画像を貼り付ける」っていうことだよ。

貼り付けるものは「写真」とは限らないから「画像」と呼んでいて、Illustratorでは貼り付けることを「配置」というから、「画像の配置」っていう言い方になっちゃうんだけど。

ポイント
■ 画像はPhotoshopで編集する。

■「リンク」と「埋め込み」を使い分ける。
■ トリミングは「クリッピングマスク」を使う。

画像の準備

フォトグラファーに撮影してもらった写真にせよ、ストックフォトにせよ、色調補正などをPhotoshopで済ませてから、Illustratorに貼り込むよ。

ビットマップ画像の編集はIllustratorでもある程度はできるけれど、「餅は餅屋」で、Photoshopでやったほうがいいだろうな。Illustratorに貼り込んだあとに変更を加えたいときも、基本的にはPhotoshopに戻って修整する。

Photoshop Elementsじゃだめかって? わかるよー。安いもんな。
あれはCMYKが扱えないから、残念ながら、印刷物を作るときには使えないな。

専門のレタッチャーさんが修正を行ってくれる場合には、写真に対する要望だけを伝えて、すべてお任せしておけばいい。
自分で写真をレタッチする場合は、以下のようなことをPhotoshopでやるよ。

■ 基本的な調整(色調、明るさなど)
■ その他の修整(合成、ぼかし、シャープなど)
■ 解像度の最適化(線数×2倍。175線の印刷物では350 ppi)
■ CMYKモードへの変換
■ 適正なファイル形式での保存(PSD、EPSなど)

ファイル形式は、以前は「EPS」か「TIFF」ということになっていたけれど、今は大抵Photoshopのネイティブ形式「PSD」で大丈夫だ。

配置の手順

写真の準備ができたら、[ファイル]メニュー→[配置]を選択しよう。
こんな感じの画面が出たかい?

えっ、[ファイル]メニューで[配置]が選択できないって?
それは、今選択しているレイヤーにロックがかかっているんじゃないかい?

画面左下に[リンク]っていうチェックボックスがあるだろ?
ここにチェックを入れていると、元の画像とリンクした状態で貼り込まれる。
チェックを外していると、画像はIllustratorのデータに埋め込まれた状態で貼り込まれる。

「リンク」「埋め込み」については、次の項で説明するから、ここではリンクにチェックを入れた状態で[配置]ボタンをクリックしよう。

カーソルがこんな感じになるから、

アートボード上の適当な場所でクリック

素材画像:BEIZ images

「リンク」か「埋め込み」か

画像を「リンク」にするか「埋め込み」にするかは、状況に応じて判断して使い分ければいい。

リンクさせる場合

リンクした状態で貼り込んでおくと、元の画像ファイルに修正を加えたときに、Illustratorに貼り込んだ画像に修正を反映させるのが簡単だ。
元の画像が修正されると以下のようなダイアログが出るし、

[配置]→[リンク]で表示される[リンク]パネルでも、パネル右上の[パネルオプション]から「リンクを更新」を選べば、リンクファイルを更新することができるぞ。

リンクが修正されたとき、[リンク]パネルには「注意」のアイコンが表示される

あとで多数の画像をまとめて差し替える必要があるとか、画像のファイルサイズが巨大でIllustratorの操作が鈍くなってしまう場合などは、埋め込まずにリンクにしておくと、作業効率が良くなる場合があるよ。

埋め込む場合

印刷所に入稿する場合、とりわけネット印刷では、「Illustratorファイルに画像を埋め込んでください」とか、「画像を内部保存してください」と指示されることがあると思う。
印刷所側からすれば、リンク画像がたくさんあるよりも、Illustratorのファイルだけになっているほうがシンプルだし、なにより「リンク画像が不足しています」みたいな無駄なやりとりが発生しないからな。
そのぶん、埋め込む画像は自分できちんと責任を持って完成させないといけないけどな。

リンク画像を埋め込む

画像をリンクの状態で作業しておいて、あとで入稿用のデータを作るときに埋め込むということもできる。
リンクしている画像を選択した状態で、[リンク]パネルの右上の[パネルオプション]から[画像を埋め込み]を選べばいい。

画面上部の[コントロール]パネルにある[埋め込み]ボタンを押してもOK。

画像がたくさんあるときは、aiファイルと同じ階層に置いたフォルダにまとめておいてもいいよ。
ただし、画像のフォルダをたくさん作ると、リンクが切れたときにつなげるのが大変になるから注意してな。

トリミング

Illustratorには、InDesignの[長方形フレーム]とか、QuarkXPressの[画像ボックス]みたいなものはないから、トリミングするときには、[クリッピングマスク]を使うよ。

ここでは、長方形の中に写真を収めることにしよう。

まず、写真を収める長方形を、「線なし」「塗りなし」 で描こう。
(「線あり」にしたい場合もあるだろうけれど、[クリッピングマスク]にしたときに線は消えてしまうから、あとから同じ位置に線を描くことになるよ。)

台全面に配置するときは、塗り足し(外側3 mm)を含めるのを忘れないようにな。オレンジ色じゃなくて、「線なし」「塗りなし」だぞ。

次に、長方形が前面写真が背面にある状態にして、長方形と写真の両方を選択した状態で、[オブジェクト]メニュー→[クリッピングマスク]→[作成]を選択。

この作業を頻繁にやる人は、[command]+[7]で作成[command]+[option]+[7]で解除と、ショートカットキーを覚えてしまったほうがいいかもな。

長方形の中だけに写真が表示されるようになった

続いて、「イイ感じの構図」になるように、画像のサイズや位置を調整しないといけないよな。
選択ツール 長方形と画像が一体化したものを選択し、ダブルクリックすると、[編集モード]という状態になる。

[編集モード]では、画面の左上で、今どの階層にいるのかがわかる。[レイヤー]パネルの表示も変わる。

[編集モード]では画像だけを簡単に選択できるから、サイズの拡大縮小をしたり、位置を調整するのが簡単だろ?
編集が終わったら、[esc]キーを押して[編集モード]から抜けよう
[編集モード]の話は、また今度ゆっくりしないといけないかな。

従来のバージョンを使っていて、[編集モード]がない場合(ダブルクリックしても何も起きない場合)は、画像のほうだけを[ダイレクト選択ツール] で選択したあとに、[選択ツール]  に持ち換えて編集(拡大、縮小、移動)をすればいいよ。
([ダイレクト選択ツール] のまま[command]キーを押して操作することもできるよ)

写真のサイズと位置を調整して、完成した状態。

ちなみに、[クリッピングマスク]長方形に限らず、好きな形でできるからな。

レイアウトするときに画像を拡大すると、解像度を低下させていることになるから、そのあたりはきちんと計算するようにな。

最近は[オブジェクト]メニュー→[画像の切り抜き]っていうものがあるけれど、これは画像自体をトリミングする機能だ。これで切り抜いたあとは、切り抜く前の状態には戻らないから、使う場面は限られるかもな。
さらに、リンクで貼っている画像に[画像の切り抜き]をした場合には、リンクが切れて、埋め込まれた状態になるから、その点も理解した上で、活用できる場面があれば使ってみたらいいと思うよ。

[オブジェクト]メニューの[画像の切り抜き]

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