14. アピアランス・効果

「皆さんよくご存じのアピアランス⋯⋯」みたいな調子でカタカナ語を使われると困惑しちゃうよな。
Illustratorの「アピアランス」がわかると、複雑に思えていたデータがシンプルに見えてくるぞ。

ポイント
■ オブジェクトの「基本構造」「基本アピアランス」「その他のアピアランス」を理解することが大事。

■ 「基本構造」は「骨組み」、「アピアランス」は「装飾」みたいなもの。

アピアランスとは

アピアランスは、英語の「appearance(appearの名詞形)」。
「出現」とか「登場」という意味で使われることもあるけれど、ここでは「外見」「外観」「見せかけ」といった感じだな。

MacOSでも、以前は「アピアランス」っていう言葉を使っていたけど、今は[ダークモード]なんかのことを[外観モード]って呼んでいるよ。

まあ、「アピアランス=外観」ってことだ。

Illustratorのアピアランス

『Illustrator ユーザーガイド』によると、「アピアランス属性は、基本構造を変更せずにオブジェクトの外観にのみ作用するプロパティです。」だそうだ。
「ちょっと何言ってるかわかんない」って?

具体的な例を見てみれば、「なーんだ」って感じだよ。

基本構造

まず、「線なし」「塗りなし」 で、直径30 mmの円を描いてみよう。

この円を選択した状態で、[ウィンドウ]メニュー→[アピアランス]を選択すると、[アピアランス]パネルの表示は以下のような感じになっているだろ?

このような「線なし」「塗りなし」「不透明度の設定なし(初期設定)」のパスのことを、先の『Illustrator ユーザーガイド』は「基本構造」と呼んでいるんだよ。

「骨組み」とか「骨格」と言い換えてもいいだろうな。
人間に例えるなら、「すっぴん」とか「丸裸」素の状態だ。

基本アピアランス

画面上部の[コントロール]パネルを使って、この円に色をつけてみよう。

そうだな、塗りを[CMYK シアン]線を[CMYK ブルー]にしておこうか。
ついでに線の太さを7 ptにしてみよう。

[アピアランス]パネルはこんなふうに変わったはずだ。

例えるなら、「化粧をした」あるいは「服を着た」というような状態だな。

さらに、「パターン」「グラデーション」「透明」も「基本アピアランス」に含まれるよ。

「パターン」や「グラデーション」も「基本アピアランス」

初期のIllustratorではこれくらいのことしかできなかったから、ベテランユーザーはこういうのを見て、「昔ながらの、いつものヤツ」という感覚を持っているんだよな。

今はもっと複雑なアピアランスが追加できるようになって、便利になった一方で、最近のバージョンから入門したユーザーにとっては、理解しにくい部分があるだろうと思うよ。

基本以外のアピアランス

「基本アピアランス」の以外のアピアランスには、例えば[ドロップシャドウ]なんかがある。
[アピアランス]パネルからでもできるけど、ここでは[効果]メニュー→[スタイライズ]→[ドロップシャドウ]でドロップシャドウをつけてみようか。

さらに、「基本アピアランス」とは別の[塗り]や[線]もつけられる。
[アピアランス]パネル左下[新規線を追加]で、12 ptの白い線を追加してみよう。


元の[CMYK ブルー]の7 ptの線が隠れてしまうから、[アピアランス]パネルでドラッグして、[CMYK ブルー]の線の下に移動させるぞ。

[効果]メニューでできることは、[アピアランス]パネルの下にある[新規効果を追加]ボタン でもできるから、今度はこのボタンから[形状に変更]→[長方形]を選んでみよう。
もはや「円」ですらなくなってしまうな。

[新規効果を追加]ボタンを押して[形状に変更]→[長方形]を選択

最初の「線なし」「塗りなし」の円を「すっぴん」に例えたけど、この状態は、今風の言葉でいうと「盛ってる」といったところかな。

[アピアランス]パネルの左側の目のアイコン をクリックすることで、指定したアピアランスを隠すこともできるぞ。

[長方形]の効果が見えなくなり、「円」に戻った。

このオブジェクトを選択した状態で、[アピアランス]パネルの右上の[パネルオプション]から[アピアランスを消去]を選択してみよう。

アピアランスがすべて消えて、「すっぴん」の姿(円のパス)に戻ったかい?

『Illustrator ユーザーガイド』に書いてある「アピアランス属性は、基本構造を変更せずにオブジェクトの外観にのみ作用するプロパティです。」をここであらためて読んでみると、「あー、そういうことか!」ってわかるだろ?

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