15. トンボ

会社には案件ごとのフォーマットがすでにあるかもしれないし、ネット印刷では専用の版下台紙(テンプレート)が用意されているけれど、簡単な版下台紙くらいは自分で作れるようにしておこう。

ポイント
■ Illustratorのトンボの付け方には2種類ある。

■ 従来のバージョンではトンボの付け方が違う。

Illustratorでのトンボの付け方

Illustratorでのトンボの付け方には、「アートボード自体にトンボを付ける方法」「アートボード内に描いた四角形にトンボを付ける方法」2種類がある。

『1. ドキュメントの新規作成』でも書いたけど、これらはどちらが良いということではなくて、制作物の性質、印刷会社の指定、クライアントの指定などに合わせて使い分ければいいよ。

(左)A4のアートボードに対してトンボを付ける場合
(右)B4のアートボード内に描いたA4の四角形にトンボを付ける場合

トンボは、バージョンが変わるごと呼称格納されているメニューもたびたび変更されてきたから、混乱してしまった人も多かったみたいだな。
ここではIllustrator 2020(Ver. 24)を使って説明していくよ。

従来のバージョンを使っていて、メニューの中に見つからない人は、以下のあたりを探してみよう。

■[オブジェクト]メニュー→[トンボ]
■[フィルタ]メニュー→[クリエイト]→[トリムマーク]
■[効果]メニュー→[トリムマーク]
■[オブジェクト]メニュー→[トリムマークを作成]

アートボード自体にトンボを付ける

まず、仕上がり寸法がA4判だとしたら、アートボードもA4判にするという方法だ。

断ち落としの幅は、新規ドキュメントを作成するときの[新規ドキュメント]ダイアログで指定できる。
あとから[ファイル]メニュー→[ドキュメント設定]でも変えられるし、[プリント]ダイアログ[Adobe PDFを保存]ダイアログでも変えられるよ。

通常は「天地左右すべて3 mm」と考えておけば大丈夫。
ワシは以前、InDesignで分厚いカタログを作ったときに、「小口の塗り足しを10 mmにしておいてください」と言われてびっくりしたということがあったけど、そんなケースは稀だな。

アートボード自体にトンボを付ける場合、現在は、[プリント]ダイアログ、または[Adobe PDFを保存]ダイアログ[トンボと断ち落とし]で設定するようになっている。

[プリント]ダイアログの[トンボと断ち落とし]
[Adobe PDFを保存]ダイアログの[トンボと断ち落とし]

データ上でアートボードにトンボを付ける必要があるときは、次項の『 アートボード内に描いた四角形にトンボを付ける』の方法で、アートボードと同じ大きさの四角形を描けばいい。

以前あった[オブジェクト]メニュー→[トリムマーク]では、アートボードにトンボを付けることができたけど、今はこの機能はなくなっているよ。

アートボード内に描いた四角形にトンボを付ける

次に、アートボードを「仕上がりサイズ」よりも大きく作っておいて、仕上がりサイズの四角形を自分で描くというやり方だ。ワシはこの方法でやることが多いよ。

四角形を描くとき、「線なし」「塗りなし」 にしておくように注意してな。
線に太さがあると、線の太さの分、トンボが外側に作られてしまうぞ。

仕上がりサイズの四角形(「線なし」「塗りなし」)

この長方形を選択した状態で、[オブジェクト]メニュー→[トリムマーク]を実行すれば、トンボが付くよ。

トンボが付いた

[効果]メニュー→[トリムマーク]でも付けられるけど、この場合はトンボが「効果」になっているから、直接トンボを選択して編集することはできないぞ。

次項のような「トンボのカスタマイズ」をしたい場合には、[オブジェクト]メニュー→[アピアランスを分割]で「効果」ではない状態にしておく必要があるよ。

トンボのカスタマイズ

[トリムマーク]では付けられないトンボ、例えば「折りトンボ」などは、自分でカスタマイズすることになるよ。

書籍の表紙の背の部分に「折りトンボ」を入れる想定で、実際にやってみよう。
A6判(105×148 mm)で、背幅が8 mm文庫本の表紙を作ることにしようか。
アートボードのサイズはA4(横)でいいよ。

高さは、148 mmだな。
幅は、表1+表4+背の合計だから、105+105+8=218 mm
これに[オブジェクト]メニュー→[トリムマーク]でトンボを付けると、こんな感じだ。

仕上がりサイズブリード3 mmを含めたサイズ、 さらに背の部分ガイドを引いてみよう。
やり方を忘れてしまったという人は、『5. 座標・変形』『13. ガイド』をもう一度読んでな。

まずは、図の以下の部分を[ダイレクト選択ツール] で選択して、コピーしよう。

[編集]メニュー→[同じ位置にペースト]で、ペースト。
[同じ位置にペースト]がないバージョンでは、[前面にペースト]でいいよ。

そのまま背の折りの部分まで、[shift]キーを押しながら移動
さらに、[option]+[shift]キーを押しながら移動して、右側も作成

これで背の部分の折りトンボが完成だ。

トンボを編集したあとは、線のカラーが[レジストレーション]になっているから、そのあとの編集作業で[ブラック]と間違えて使ってしまわないように、くれぐれも注意してな。
[レジストレーション]は、「CMYK」のすべて(+特色のすべて)を含むという意味だから、[ブラック]と同じではないぞ。

一重のトンボ

アメリカをはじめとする諸外国では、二重ではなく、一重のトンボ(内トンボだけ)を使っているよ。
Illustratorで一重のトンボにしたいときは、以下のようにすればいいだけだから、簡単だ。

「アートボード自体にトンボを付ける場合」には、[プリント]ダイアログ、または[Adobe PDFを保存]ダイアログの[トンボ]の[種類]を[日本式]から[西洋式]に変える。

[プリント]ダイアログの[トンボ]の[種類]を[西洋式]に

「アートボード内に描いた四角形にトンボを付ける場合」には、[環境設定]→[一般](command+K)の[日本式トンボを使用]のチェックを外す。

もちろん、一重のトンボであっても、塗り足しは必要だぞ。
塗り足しの幅は「1/8 inch」とか「8.5 pt」とか「9 pt」とか言われるかもしれないけど、要は「だいたい3 mm」ってことだ。

色玉(カラーバー/カラーパッチ)

色玉(カラーバー/カラーパッチ)や、トンボの外側に付ける情報は、基本的に入れなくて大丈夫だ。
印刷屋さんからの指定があればその通りにやればいいし、各印刷屋さんで自分のところのフォーマットがあるから、勝手にやってくれるよ。

色玉(カラーバー/カラーパッチ)

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